特にストーリーもなく、二人の男が荒野をさまよう映画。
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特にストーリーもなく、二人の男が荒野をさまよう映画。
監督の意図がなんにせよ、観客が自由にこの映画を解釈してもいいだろう。
自分は勝手ながら、この映画を「人生」に置き換えてみた。
人生もいわば目的地も何も分からずに、解決する術も持たずにただひたすらさまよう、どこに辿りつくかも分からずに。
人生という荒野をさまようためにはパートナーが必要だろう、だから男と女二人で歩き始める。
実話のベースであり、サントがあれなんで二人の男という設定だが、これが男と女だったらもっと面白いだろうな感じる。
あるシーンでは、一人は降りれない岩に勢いで登り、オマエのせいでこうなったと叫ぶ。
もう一人も助けるフリはするが、どうにも助けようにも助ける気にはなれない。
やむなく一人は自分の力で解決するというシーンがある。
人生もこのようなものではないかという気がする。
勢いで物事を推し進め、どうしようもない困難にぶちあたったら、とりあえず人のせいにしてみる。
他人も助けてくれそうにみえて、実際には親身には助けてはくれない、やはり自力で解決するしかない。
これが現実の夫婦のような二人なら、そのような二人に入ったささいな亀裂は徐々に大きくなる。
そして会話もなくなる二人。
もっとも映画のような状況なら、どんなセリフが適切か考えてみたがやはり無言しかないだろうな。
一番好きなシーンが夜の暗闇をひたすら明かりもなしに歩くシーン。
自分が今どこにいるのか、どこに向かっているのかも考えずにひたすらがむしゃらに前に進むことしか考えられない状況に陥る。
そして散々さまよったあげくにどんな風に歩いてきたかを話し合う二人…だがもう物事が解決できる状況にはない。
そしてラスト。
冷静になれば問題を解決できたであろう二人が取った行動。
人生にもこのような状況があるはず、しっかりと周りを見れば解決できたはずなのに周りが見れなくなっているから解決手段が分からずに何の解決にならない解決方法を取るしかなくなっている。
この映画に点数をつけるのは難しいが、色々と人生のことを考えることが出来たのが収穫だった。