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<ネタバレ>画像だけ眺めていれば、それなりに楽しむことはできる。ただ「CGスゲエな」「パンダ強いな」「○○カッコいいな」「○○カワイイ」程度の感想しか持ち得なかった。
子ども向け作品とはいえ、もうちょっと味付けが必要ではないか。
あまりにも薄味すぎて、物足りなさを覚えた。
シーフー老子とポーの関係と、シーフー老子とタイ・ランの関係をもうちょっと対比させてもよかったかもしれない。
自分の弟子でもあったタイ・ランを信じ切れなかったので彼を悪の道に走らせてしまったが、ポーを信じ抜くことができたので、ポーも変わることができ、自分も変われたという落としどころのようなものが必要だったかと思われる。
シーフー老子とタイ・ランの関係は、甘やかして育てる現在の家庭のようなものにも通じる。
甘やかすのが本当の愛情ではなくて、自分を信じてもらい、厳しくされることが本当の愛情のようなメッセージを込めると、本作を見た子どもと親にとって何か得られるものがあったのではないか。
子ども達の可能性のようなものを信じることができるというメッセージを込めれば、本作は傑作になりえたかもしれない。
シーフー老子は、弟子を信じるというよりも、自分の師匠であるウーグ・ウェイ導師のことしか信じていないような気がするのが引っかかった。
また、「特別なことは必要ない」というメッセージも上手くは落ちていないのではないか。
「強くなること」「おいしい料理をつくること」どちらにも早道や抜け道はない。
現在の子ども達に送るメッセージとしては、「スポーツが上手くなること」「アタマが良くなること」のようなものに通じるだろう。
何事にも特効薬や魔法の力のようなものはなく、地道な努力が必要ということになる。
そう考えると、ポーが「特別なことは必要ない」と気付くのはもうちょっと早い段階でもよかった気がする。
タイ・ランもマスターファイブももともと強かったわけではないのだから、現在は雲の上のような存在であっても、自分が努力すれば彼らに近づけるはずというメッセージに繋がるはずだ。
今がどんなにダメであっても、諦めなければ雲の上の存在にも一泡吹かせることができる。そのためには、血と汗が滲むような訓練が必要ということになり、訓練の意義が活きてくる。
強くなるための近道は訓練や努力以外ないのだから。[良:1票]