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<ネタバレ>ABBAについてはよくは知らなかったが、「どこかで耳にしたことがある、この曲ってABBAの曲だったんだ!」という驚きが大きかった。
それにしても、30年前のグループの曲なのに、音楽が生き続けて、歌い続けられるということは“奇跡”と思わざるを得ない。
年月を経てもまったく色褪せないのは、音楽くらいではないだろうか。
歌のチカラはやっぱり凄いと実感させられる。
はっきりいって「歌がそれほど上手くない」「ストーリーがメチャクチャ」「恐ろしいほどにダサい」とは思ったが、“それがどうした?”というような映画だった。
“楽しくて、ハッピーならばそれでいいじゃないか!”というノリで押し切られてしまった。
いい意味での“適当さ”や“ダサさ”がABBAの曲やギリシャの陽気さにマッチングしている。
ミュージカルは完璧さが追求される世界かもしれないが、完璧なダンスや、メチャクチャ上手い歌を聴かされたら、本作においては逆効果になるかもしれない。
また、ストーリーと世界観とのバランスが難しく、「二兎を追うもの一兎も得ず」ということになるくらいならば、「ハッピーになれる」という長所を確実に狙ってきたのだろう。
奥深さは全くないが、狙い自体は成功したといえるのではないか。
上映終了後、劇場で鑑賞していた女性たちは皆楽しそうな表情をしていた。
ただ、ストーリーにケチを付けるのは野暮だが、映画としては、あまり高くは評価できない仕上がりにはなっている。
ドナとソフィの親子愛、女の友情、ある意味では敗者であるドナの悲哀、若いソフィが狭い島から抜け出して、世界に羽ばたくといったことなども、きっちりとは歌い込まれているが、あまり高いレベルの深さはなかった。
すべてをきっちりと高いレベルにしろとは言わないが、何かひとつ“ドナとソフィの親子愛”辺りは感動できるようなレベルにまで、きっちりと描いて欲しかったところだ。[良:1票]