<ネタバレ>リアリティのある仕上りであり、ラッセル・クロウの演技も見応え .. >(続きを読む)[良:1票]
<ネタバレ>リアリティのある仕上りであり、ラッセル・クロウの演技も見応えがあった。クロウ演じる新聞記者が真相に気付くまでは、もうちょっと高い評価をしようとしたが、予期せぬ“どんでん返し”があったため、評価を下げることとなった。観客が驚くオチを考えようとするあまりに墓穴を掘ったという貴重な例だろうか。
あまり頭が整理できていないので、間違っているかもしれないが、ネタを整理すると「議員が戦友と親友の“友情”を利用して、自分をスパイしていた民間軍事企業を逆に陥れようと画策した」というところか。「スパイ行為を行っていたものの民間軍事企業は殺しまでは手を染めていなかった」ということが真相だろうか。脚本的には上手くオチている気がするが、映像上では上手くオチている感じがしない。新聞記者がカラクリに気付いてから、殺し屋が最後の行動を起こすまでの一連の流れが拙速すぎるという印象をもつ。議員の奥さんの一言だけで全ての糸が解れるというのはあまりにも唐突だ。
殺し屋も最後に何をしたかったのか、なぜあの場所に居られたのかも不明。本作の“肝”になるところなので、もっと丁寧に描いて欲しかったところだ。異なるエンディングの1バージョンというような浮ついたものとなっている。
また、本作の「友情と真実」というテーマも上手く描き切れているとは思えない。“真実”の追求するためには友情を利用・犠牲にしてもいいのかという記者の“苦悩”がもっと必要ではないか。この部分が緩いため、逆に“友情”を利用していたのは議員の方だったというオチが効果的に機能していない。
さらに、レイチェル・マクアダムスの演技にも不満が残る。もともとはウェブ版の担当ということであり、冒頭は“軽め”の演技でも問題ないが、終始その“軽さ”が払拭されなかったという思いが強い。目の前で証人が死んでいるにも関わらず、あまり大きな変化が感じられなかった。最後の記事を“送信”できるほど、本物の“ジャーナリスト”に成長して欲しかったところだ。
悪くはない作品だが、“素材”を活かしきれておらず、最高の調理ができたとは思えないので、評価をやや下げたいところ。「大統領の陰謀」を参考にしているようなところもやや気になる。当初はブラッド・ピットが新聞記者を演じることとなっていたが、彼が降板した理由も少々理解できるものとなっている。出演してもあまりプラスにならない映画だ。[良:1票]