<ネタバレ>鑑賞後に「なぜ和賀は殺人を犯さなくてはいけなかったのか」が腑 .. >(続きを読む)
<ネタバレ>鑑賞後に「なぜ和賀は殺人を犯さなくてはいけなかったのか」が腑に落ちなかった。しかし、よくよく考えてみると、和賀の気持ちを推し量ることは相当に難しいのではないかという結論に至った。
過去に対して抗う男の人生の苦闘・苦悩というものは当人ではないと分からないものだ。
劇中でもセリフがあったが、過去を知る男の存在を消したいといった単純な理由ではないだろう。
他人に成りすます、父親に会いたくてもどうしても会えない、そういった長年の苦闘・苦悩の蓄積のようなものがああいう形で爆発してしまったのではないか。
また、和賀の過去を知る男だからこそ、苦闘・苦悩をぶつけることができたのかもしれない。
さらに、父子を会わせようとする事は確かに親切心かもしれないが、当人たちにとっては願っても願ってもどうしてもできないことだったのかもしれない。
それを三木が強制しようとしたために、このような悲劇に繋がったのだろうか。
父親が自分の息子の姿を見ても「こんな人知らない」と答えたことからも、父子の気持ちを知っているのはやはり父子だけだと感じた。
自分が腑に落ちないと感じるのは当然といえるかもしれない。
ただ、これほど重い想いを抱えているとしたら、加藤剛の演技はやや軽い気がする。
全体的に重厚感のある作品には仕上がっているが、多少軽さが目立つような気もする。
あまり重苦しいと商業的に影響が出るのかもしれないが、もう少し重苦しくしてもよかったかもしれない。