<ネタバレ> 「自殺サークル」とか「紀子の食卓」には、監督のメッセージを .. >(続きを読む)[良:2票]
<ネタバレ> 「自殺サークル」とか「紀子の食卓」には、監督のメッセージを観客に押し付けない懐の深さがあった。だから園監督と、見ている自分のとの共存が、映画の中に可能だった。
ところが本作での園監督は「オレは正しい。俺に従え」と一方的に主張してくる。その姿は村田そのもの。
そう。死ぬ間際になって「お父さんごめんなさい。もう悪いことはしません」と、急に弱々しい姿を見せるあの男だ。トラウマが彼を悪人にしたっていうのか?そんな設定にはうんざりだよ。
社本の反撃にはスカッとしたが、ラストはいただけない。何が「生きることは痛い」だよ。お前死んじゃったじゃないか。
したたかに生きろよ。すべて村田夫妻のしわざに見せかけて警察も世間もあざむいて「のうのうと」生き伸びろよ。生きるって、そういうことじゃないのか?
村田の妻が、次々に勝ち馬に乗っていく姿は、美しかった。女らしいってこういうことだもんね。
でも「痛みをともなって生きろ」とかいう監督の安っぽいメッセージの押し付けが全編を支配しているので、イヤーな気持ちになるんだよなあ。
あと「愛のむきだし」の満島ひかりみたいな「うまい」女優が、一人もいなかったのもしらける要因。
ただ、なんだかんだ言っても、内蔵グチャグチャの描写が単なるスプラッタになっていない、こういうリアルな映画は大好きなので、7点。[良:2票]