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<ネタバレ>人間的過ぎる銀行強盗たちを主役に強烈な社会風刺の効いた傑作。実話の方もテレビを見て知っていたのですが、最初に守衛が解放されたり、糖尿病の人質がいたりするところが結構忠実で、こちらはとことん警察をコケにしていて痛快でした。題材はつまり犯罪とは何かということ。警官たちはソニーたちが何者なのかという事より彼らを逮捕するか、銃殺する事を念頭においています。しかし、人間的な主人公と人質の間に奇妙な友情が芽生えます。そんな彼らを民衆はヒーロー扱いし、ついには警察も手を出しにくい状況へ。ここら辺の警察の惨めさがかなり痛快です。そして、ラストで逮捕されてしまった主人公たちに事実を知っていてもやっぱり同情してしまいました。このラストが映画の最大のテーマを伝える素晴らしいラストでした。普段私たちは彼らを見ていても「まぁ、罪を犯したんだし、仕方ないな」と思うところですが、そんな単純な考えでいいのでしょうか。法律は悪人だけを罰するものではないという事をしみじみ実感させられました。正直、逮捕されたあとのソニーと人質との間にもう人ひねり欲しかった感じですが、逮捕された人はそれまでのことと関係なく忘れ去られてしまうという皮肉だとも思いました。ちょっとした後味の悪さは残りますが、後日談でこの映画のおかげでソニーのモデルの人が妻に手術を受けさせられたと思うと気分がよくなります。やっぱり善人が報われる後日談まで揃ってるところが「事実は映画より奇なり」ですね。主役二人の演技も個性的で素晴らしかったです。