<ネタバレ>命に関わるシナリオ構成でかなり深刻な話ではあるけど、それほど .. >(続きを読む)
<ネタバレ>命に関わるシナリオ構成でかなり深刻な話ではあるけど、それほど暗くならないのがいい。
配役も粒揃いで、落ち着きのある雰囲気を作り上げるのに成功している。
これまでも家族をテーマにして作品を作り続けたきた西川監督が今度は無医村という大きな家族を描いたという感じだろうか。
台本のないぶっつけ本番のお医者さんごっこに挑む『鶴瓶の無医村に乾杯』といったところでしょう。
物語は主人公の失踪で幕を開けて、恰も無責任に職場放棄して自己保身の為に逃走したのかと思わせる展開から、実は母娘に残された短い時間を取り戻させる為の自己犠牲だったという顛末に繋げていく。
医者の資格に関しては考えさせられるものがあったけど、それを超越したラストになっているのが救いだったように思う。
あれで逮捕でもされていたら話は複雑で重いものになっていただろうけど、矛盾を抱えつつ捜査する刑事たちを嘲笑うかのように再来する姿に思わず僕も笑顔になりました。
すべてはあのラストの笑顔の為の前振りだったのかも知れない。
そして、どう死なせただろうか?という娘の疑問に対する答えだったようにも感じる。
笑顔に乾杯です。
あと、どうでもいいことだけど、これだけ完璧に調和した役者陣の中にあって、勘三郎だけ1人浮いていたのが少し気になった。
あの岩松了ですら自重して作品に馴染んでたというのに・・・。