物語は1990年に始まるわけだけど、開始早々に気になることが .. >(続きを読む)
物語は1990年に始まるわけだけど、開始早々に気になることが1つ。
この時代に気象予報士なんて存在しただろうか?
僕の記憶が確かなら、昔は気象予報士という資格なんて無かったはず。
そして、僕は1つの結論に達した。
この物語の語り部である中原涼子自身が偽証しているのではないか。
存在するはずの無い気象予報士がその証拠なのだと。
朝のテレビのお天気の女の人が気象予報士じゃなかったと仮定するなら、観測史上6番目の大雪という証言の信憑性も揺らぐ。
1990年のクリスマスに大雪が降ってなかったなら、雪に埋もれた死体の存在すら彼女の創造したフィクションと言えなくもない。
もしその推測が正しいのなら、南瓜を切ろうとして手首を切る可能性すら疑わしくなってしまう。
自殺なのか、事故なのか、誰が真実を語って、誰が嘘を吐いているのか、とても興味深い。
後篇に繋げるお膳立てとしては、よく出来た作品だと評価しておく。