無駄にスケール感を煽った導入部から、やたらととっちらかった脚 .. >(続きを読む)
無駄にスケール感を煽った導入部から、やたらととっちらかった脚本に振り回されたあげくに、最後は何だかこぢんまりとした話になってしまいました。マラソンのシーンは、たぶんほとんどの観客が「どうせこれもダミーだろ」って思いながら見てたんじゃないかな。それでも、いっしょに振り回されるのを楽しませるのがエンターテインメントなんだろうけど、この映画はそのへんの演出が単調で、あれで一気に気持ちが萎えてしまいました。マラソンとは無関係の本筋のほうは、実際に何年か前に起きた事件をモチーフにしているのは明らかなんだけど、その事件を取り巻く社会の描写やそれをめぐる政治的な構図にまったくリアリティを感じることができなかった(ああいう一方的な側面はあったと思うけど、それでも右左そのほか入り乱れて、もっとややこしいことになっていたと思う)。こんな描き方しかできないのなら、中途半端な社会派(を装ったお涙頂戴モノ)を気取らずに、ふつうに「サイコな大量無差別テロとの対決」にしたほうが後味もよかったと思う。