ダイヤルアップ時代を知る世代としては、あの「ピー・ギゴー・シ .. >(続きを読む)
ダイヤルアップ時代を知る世代としては、あの「ピー・ギゴー・シュゴゴゴー」みたいな接続音はホラーだ。あの音が響くだけで、どこかに吸い込まれるようで十分怖いわけだけど、その恐怖を、「心霊」「幽霊」という日本の怖いお話に結びつけ、それを見事に映像化してると思う。へんな効果音をBGMに無駄に露出高めの(当時)若手女優さんたちが恐怖に顔をゆがめるという、アイドル・ホラー映画的な趣向も、世界滅亡という必要以上に壮大な物語も、なんだかほほえましく楽しめる。主演のはずの加藤晴彦が倒れた小雪を重そうに持ち上げる場面とかの妙な感じも、「生きる」ことに執着する彼のキャラクターを表すと思えば、どこか受け入れられてしまう。全体として、ジャパニーズ・ホラー特有の怖さと緩さが、行間を読め!系の黒沢清監督作品とうまく融合してる。「インターネット」の怖さとか、加藤晴彦の演技とか、今の時代に見ればちょっと残念な要素もあるけれど、それなりに楽しめると思う。