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小学生の時に映画館で観た本作。数十年ぶりに小学生になった娘と見る。いまさらながら、清く正しい?児童小説の世界観のうえに成立したメタな物語構造に感心する。子どもの想像力と対峙する「虚無(nothing)」という敵の本質は、今見てもなかなか深い。これを、1980年代前半という時代に、しかも「子ども」向けの映画で堂々とやってしまったというところはすごい。一方で、演出や編集では残念な部分も目立つ。ぶつ切りのエピソード、端折りすぎの前半、タメのない場面転換と音楽。これって、たぶんピーター・ジャクソンにリメイクさせたら、3部作くらいの、すごい物語になりそう。でも、あえて90分ちょいで映画化して、日本を含む世界中の子供たちが見たというところが、この映画のすばらしさなのだと思う。ちなみに、一緒にみた娘の感想は、「怖かった」。狼だけではなく、この映画全体のもってる雰囲気が怖かったという。ある意味、とてもまっとうで、この映画の本質をとらえた感想でちょっとうれしい。[良:1票]