<ネタバレ>無難。全体をとおして無難な空気が漂う。1960年代・昭和風の .. >(続きを読む)
<ネタバレ>無難。全体をとおして無難な空気が漂う。1960年代・昭和風のフレーバーを効かせているが、あくまでフレーバーに過ぎず、登場人物の行動原理は時代なんて関係なく、驚きや発見に乏しい。特に「カルチェラタン」の取り壊しをめぐるやりとりはひどい。あの建物は、雑然として鬱蒼としているからこそ意味がある。そして、だからこそ学生たちはそこを残そうと躍起になる。伝統行事の池落ちも復活させる。そういう時代だし、そういう価値観でもあると思う。でも、あんな小綺麗になったものにどんな魅力があるというのか。埃もない。整然とカラフルに整理された建物に・・・。学生街の喫茶店が「こじゃれたカフェ」になって喜んでるようなもの。僕はてっきり、理事長はそんな甘っちょろい学生たちに「No」を言うためのキャラだと思ってたけのだけれど、なんと、その「おしゃれカフェに変身!」を見て、満足してしまう。でも、これはたぶん監督がどうこうという問題でもないような気がする。音楽も映像もジブリ風につくっているけど、何かがおかしくなっている。この映画が、ジブリの死亡宣告になるのかもしれないといったら大げさかな。