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<ネタバレ>うーん、俳優のみなさんは熱演してたと思うし、映画としてもがんばってまとまっていたと思う。けど、「よくできた再現ドラマ」以上のものであったのかどうか。特に、白黒のアイヒマンの映像が強烈すぎて俳優さんたちのカラー画面での演技を喰ってしまい、ドラマと事実のバランスそのものがおかしくなってしまったように思う。また、映画としてのクライマックスとなる最後の講義が、ハイデガーの「受け売り」であったのも残念。いや、そもそも「言うこと」と「やること」が違っていたハイデガーの言葉を、そのまま文字どおりに受け止めて実践したのがアレントだったってことか・・・(え、それでいいの?)。講義の後の、学生の拍手もなんかベタ過ぎる。なんか、根源的な人間をめぐる問題を扱っている映画であるようでいて、実はそれはアレントがそうだったというだけで、映画そのものは、「そういう問題を扱っている」風に終始したのが残念でした。