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<ネタバレ>ずっと見たかった本作。やっぱり映画館で観るんだった・・・・。ウィノナ・ライダー版の『若草物語』は見ていたけど、覚えていたのは三女が病死することくらい。冒頭から時制が行ったり来たりする構成は、原作の設定やストーリーがあらかじめ頭に入ってる欧米の観客向けだな、などと序盤は見ていたけれど、登場人物の見た目よりも場面の空気感や人物が帯びる雰囲気で時制が伝わる演出になっていて、そのあたりのレベルの高さに素直に感心する。シアーシャ・ローナンのジョーは期待どおり。個人的には、こじらせまくってた『レディ・バード』のほうが好きなキャラだったけど、そのストレートさが時代と各所で衝突して自分を模索する姿がドラマの推進力になって、ぐいぐい引き込まれる。うれしい驚きだったのは、エイミー役のフローレンス・ピュー。ジョーよりも「古典」っぽくない外見(一番下の妹なのに明らかに貫禄ありすぎな雰囲気とか・・失礼)で最初は違和感だったのだけれど、末っ子らしい葛藤と達観を帯びていく過程を見事に演じきった。シャラメは、いかにもシャラメな前半よりも、エイミーと結婚した終盤のオーラの消し方が見事だった。あんなに輝いていたのにフツーの男になってしまい、でもそのフツーになれることの「凄み」を見せてくれる。この映画、突っ走るジョーに最大限共感しながらも、姉妹たちの選択もきちんとリスペクトを感じるのがすばらしい。だから、個人的には、やっぱりこの邦題は間違い。まるでジョー「だけ」のライフに見えてしまうけど、やっぱりこれは群像劇であり、だからこそジョーの選択が際立ち、ラストの本が完成するプロセスが感動的になるのに。その意味で、このメインタイトルはもちろん「わたしの」を付けてしまった副題も、あきらかにジョーに憑依しながらも「原題Little Women」をちゃんとリスペクトしたグレタ・ガーウィグの想いを踏みにじる暴挙だと思う。ついでに、オスカーの脚色賞もこれがとるべきだった。MeTooとか関係なく、原作に敬意を払いながら現代的な物語へと「アダプト」した、これぞ「脚色」というべき傑作だと思う。[良:1票]