社会派映画の佳作。どこまでも正攻法で、公民権運動時代の南部の .. >(続きを読む)
社会派映画の佳作。どこまでも正攻法で、公民権運動時代の南部の人種差別を描く。当時のリンチやKKKの映像などを見れば、ここで描かれているものが決して誇張でもなんでもなく、南部の現実であることはよくわかる。ちょっと誤れば、わかりやすい正義の味方(FBI)対悪役(KKK)の構図になりそうなところを、あまりに執拗な差別のなかに描かれる白人男性側の黒人に対する恐怖や、そうした男たちをどこか冷めた目で見ている南部女性の姿などが、複雑な南部社会の姿を浮き彫りにする。エンターテインメントとしてのカタルシスはあまり感じられないかもしれないが、社会派好きな人にはお勧めの映画。