まぁ極端に悪くないんたけど、良くも悪くもリドリー・スコットの .. >(続きを読む)
まぁ極端に悪くないんたけど、良くも悪くもリドリー・スコットの映画といった具合でしょうか。ラストの晩餐のシーンは噂通り凄惨だが、一方ではフィレンツェでロケするなど何とも格調高い演出。このアンバランスさがどうにも気になってしまって前作で出たような“荒削りなサスペンスの面白さ”が全くと言っていい程、出ていない。もっとも、この映画はもはやサイコ・サスペンスではなく、サイコ・ホラーといった具合なのだが...。ただそれ以上に納得がいかなかったのが、レクター博士の描き方の方で、前作で作り上げられたレクター像から言えば、あんなに自由気ままにあっちこっち動き回って、リスクの高いところで堂々と殺人は犯すし、随分とレクターの凶行が大っぴらになり過ぎてるのが気になった。これはパッツィ刑事とのエピソードも同様。本来ならクラリスがどうこう言うはずだったのに、やっぱり主役はあくまでレクターでしたね。そのレクターの描き方に不満が出れば、この映画の賛成派にはならないことでしょう。