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何度みているか分からない。最近みて思ったのは、マイケルマンが撮る
アルパチーノとデニーロの良さはまるでクロサワが撮るミフネのようということ。
騎手でいえば、クロサワとマイケルマンは少し能力の足りない馬を按上のテクニックで
補うタイプではなく、強い馬を実力どおりに王道競馬で勝たせられるタイプではないか。
単純に馬が強いから、役者が上手いからという話ではない。誰もが最高の素材を
最高な形で調理できるわけではないように。
クロサワが撮るミフネは抜き身の刀のように、常に張りつめ、
決して鞘に納まった役を撮らなかった。それが正しかったのはクロサワとのコンビを
解消した以降のミフネの作品を(たとえば上意討ち)みれば分かる。
髭がなくモノの分かった侍役にはハマらない。
アルパチーノの魅力は少し短気で何かしらと孤軍、奮闘の姿であり、
デニーロといえば笑うときも怒るときも黙っているときも眉のひそめ具合が絶妙な
唯一無二のデニーロ的表情をしていればどんな役でもハマる。
『ヒート』はまるでミフネがふたりいて贅沢だ。
アルパチーノもデニーロもミフネと同一に語られても悪い気はしないだろう。