幾つかの点で、歴史的資料として朽ちることのない価値を持つ作品 .. >(続きを読む)
幾つかの点で、歴史的資料として朽ちることのない価値を持つ作品だと思います。、、、、、まず、廃線になって久しい草軽鉄道が人々の生活の中にとけ込んでいた姿を見ることができることは、鉄道ファンならずとも、好奇心をそそられることでしょう。今となっては、軽井沢から草津まで、鉄道が通っていたということはちょっと想像しにくいからです。、、、、、、第二に、軽井沢周辺、そしてそこからの浅間山の景観です。三笠から北軽井沢は、今は落葉松などが鬱蒼とし、浅間山の勇姿も木立の隙間からのぞかれる程度ですが、この映画を見ると、その周辺は開けた感じですし、浅間も存在感を示しています。有島武郎や堀辰雄が、その終焉の際に見た光景は、この映画に見る景色に近かったのだろうと思うと、想像力が刺激されます。、、、、、、、第三に、戦後すぐの雰囲気が生き生きと描写されている点です。小学校が地方の文化的、公的中心をなしていたこと、文化という言葉が流行語であったこと、オルガンが貴重なものであったことなどなどが、へえっ~という感じで伝わります、、、、、、。そして第四に、この映画が、最初のカラー映画であったこと。、、、、、、もちろん、それもこれも、高峰秀子、笠智衆、佐野周二、佐田啓二などが、昔っぽくても、しっかりとした演技をしているからこそです。