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<ネタバレ>何か、ストーリーの構成が「大脱走」に似ていると感じたのは私だけでしょうか。上映時間もほぼ同じだし、作られた年代も近い。シネマスコープだし、ナチが絡んでいるところや、前半までが面白く感じられたところまでも似ているような気がします。
私より前に書かれたレビューを拝見すると“健全な映画”との評価が多々ありますが、それはクラシック映画に存在する独特な秘めたる魅力なのだと思います。それがクラシック映画ならではの魔力(?)であり、健全さを感じるのはそのためだと断言しちゃいます(私の「ローマの休日」のレビュー参照)。
さて本題。この映画で一番大事なのは、マリア(←名前もすごくイイ!)の子供たちへの愛ではないでしょうか。父親の絶対的な規律により抑圧された生活を送っていたことの反動もあるかもしれませんが、子供たちのために服を作ってあげたり、歌を教えてあげたりと、人間らしさを呼び起こさせるような、マリアの愛情に満ち溢れた接し方に感動してしまいました。この映画は子供向けの映画などではなく、むしろ人を指導する側の立場の人間にこそ是非観て欲しい映画です。この映画を観てると、何か自分も教師になれちゃうような、そんな気さえしてくるようです。
それと、この映画の終盤で、ロルフという青年が自分の職務に忠実で、最後までトラップ一家を逃がすまいとしていたのが凄く悲しくて、何とも言えない寂しさに襲われた。前半であれだけリースルと愛し合っていただけに、軍の規律に恐ろしいほど忠実になってしまい、序盤の父親の教育方針もそうだったが、軍隊の規律というものは一人一人が持っている人間性というものを極限まで奪い取ってしまう恐ろしいものだと感じた。つまり、この悲しさや寂しさが“反戦映画”としてのメッセージなのでは・・・と思いました。
ところで、私が観に行った映画館には子供連れで来た人もいたようで、ドレミの歌を一緒に口ずさむ子供がいたのにはちょっと嬉しくなってしまいました(チョットうるさかったけど^^)。