コルチャック先生は理想を掲げて己の道を突き進む。しかし皮肉に .. >(続きを読む)
コルチャック先生は理想を掲げて己の道を突き進む。しかし皮肉にも現実が彼に歩みよって来てくれない。この作品はその理想と現実を少しづつ離していくという構成でラストもこれまた強烈な皮肉で締められる。「一体彼は何がしたかったのだろうか?」と平和な時代に生まれた私にとっては理解できることはないかもしれない。逃げようと思えば逃げれたかもしれないのにあえて”私”を殺して子供達の為に理想へと走った先生はまさに”理想の人”だったのだろう。こういう風に称えるべき人間もいるのであれば昨今宗教家と偽り私欲の為に幼児虐待等をする人間もいるという皮肉な世界。子供には未来があり理想に満ち溢れた心が詰まっている。だからこそその子供達と一緒にいたコルチャック先生はどんなに現実が襲いかかろうとも理想を捨てきれなかったのだろうと思う。