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<ネタバレ>いやぁ残念、残念。ひねりのある展開はなかなかよかっただけに、もっと腕のいい監督がやってれば、それだけでサスペンスアクションの佳作になってたかもしれません。刑事の暗い過去、家族との確執、人質事件、サイコな犯人、ふたつの兄弟、親子の情愛、犯罪組織、警察同士の主導権争い・・・、描くべき要素は山ほどあったにも関わらず、そのどれも浅い部分でスルーしてしまってるのはもったいない限りです。とくに、ブルース・ウィリスの行動に迷いが感じられなかったのが致命的。事件を解決せねばならない、人質になってる子供たちを救いたい、しかしバックの組織の指示にも従わねばならない、ミスれば自分の家族が殺される。この「すべてにおいてミスが許されない」という状況では、ひとつひとつの行動をデリケートに扱うことがサスペンスにつながるにも関わらず、ブルース・ウィリスは基本的に勢いだけで行動してしまいます。これが決定的に話から緊迫感を奪い、せっかく用意された設定まで台無しにしています。犯罪組織の影も薄く(白い携帯電話も大して活用しないし・・・)、もっとブルース・ウィリスを苦しめてくれれば話のスパイスになったんですけどね。人質姉弟の命を救おうとするブルース・ウィリスに向かって、「人質の命はどうでもいいから、朝までには絶対DVDを奪って来い」くらいのことは言って欲しかったです。そして極めつけはラスト。最後はピストルで決着では、「今まで見てきたサスペンスはどうなんの?」って感じですよ。もっと頭を使いましょうよ。黒幕の正体もよくわからなかったし・・・。この監督、同じ娯楽サスペンスでも「エグゼクティブ・デシジョン」や「交渉人」を見て勉強して欲しかったですね。これだったら、ジョン・マクティアナンやアンドリュー・デイビスにでも撮らせた方が、よほどいい出来になったでしょう。[良:1票]