<ネタバレ>小学1年の時に日曜洋画劇場で見て以来、現在に至るまで私を映画 .. >(続きを読む)[良:1票]
<ネタバレ>小学1年の時に日曜洋画劇場で見て以来、現在に至るまで私を映画にどっぷりハマらせるきっかけとなった作品です。普段見るテレビとはまるで違う世界、ターミネーターがものすごく怖くて、アクションの凄まじさに驚いて、ラブシーンに気まずくなって、とにかく圧倒的に面白くて、まったく目が離せない感覚を人生ではじめて味わったのがこの時でした。以来数えきれないほど見ていますが、いま見てもやっぱり面白い。キャメロンの映画作りのセンスはあらためてズバ抜けています。舞台は真夜中で、出てくるのはゴミだらけで人気のない路地裏ばかり。同年の作品と比較してもアクションは派手な部類には入らないのですが、冒頭のテロップひとつで「これは人類の存亡を賭けた戦いだ」という史上空前のハッタリをかましてみせます。アクションにはさほどお金をかけない一方で(シュワ氏の存在感からとんでもない破壊者を見たような気になるものの、物を壊したり爆破したりの場面はかなり少ない)、ターミネーター絡みの特撮や彼が持つ銃火器には徹底したこだわりがあり、「ここを作り込めばあとは何とかなる」という判断が的確に為されています。最初から大手と契約してたスピやルーカスとは違い、ロジャー・コーマンの元で修業した苦労人キャメロンならではの強みでしょうか。脚本の出来も上々。例えばカイルがサラにこの戦いの背景を話すシーン。普通ならいったんここで話が停止状態になるのですが、本作ではなんとカーチェイス中の車内でこれを一気に説明させ、話を止めないのです。またこの車内ではパニックになるサラを「黙れ!僕が話していいと言うまで話すな!」とカイルが恫喝して話を聞かせるやりとりがありますが、このたった数十秒のシーンで、突如命を狙われることになったサラのリアルな反応を描き、一方でカイルが厳しい世界の住人であることをうかがわせます。本作はテンポの速いアクションですが、その中でも人間の生身のリアクションやドラマがきっちりと描けており、そのリアリティがSFとしての説得力をうまく補完しています。傷つくカイルを救おうとする中でサラに戦う強さが宿っていく過程は自然だったし、ラストではカイルの思い出を話をしている時に撮られた写真こそが、カイルがサラを愛するきっかけとなった写真でしたというオチ。SFや銃火器を好む一方で、最終的にはこういうセンチな話を好むあたりが、やはりキャメロンなのです。[良:1票]