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<ネタバレ>DCコミック社とワーナーは1997年頃からグリーンランタンの実写化を考えていたのですが、宇宙警備隊という子供じみた基本設定が災いして物語をうまくまとめることが出来ず、一時期はジャック・ブラック主演のコメディという方向性までが検討された程の迷走ぶりを見せていました。しかし、ライバルのマーヴルコミック社が、同じく製作が難航していた『アイアンマン』を大ヒットさせた辺りから本企画の方向性もなんとか固まっていき、難産の末に誕生したのが本作なのでした。。。
まず驚いたのが、大人のアクションを得意とするマーティン・キャンベルが監督を務めているということ。当初予定されていた監督がスケジュール切れで参加できなくなったための代打なのですが、それにしてもこれは意外すぎる抜擢です。とはいえ、キャンベルは『ゴールデンアイ』『カジノロワイヤル』『マスク・オブ・ゾロ』とヒーロー誕生編を得意とする人物でもあり、意外と何とかなっているかもしれないという期待感もありました。しかし、肝心の本編は何とかなっていませんでした。キャンベルは未経験の分野に挑むにあたって自分ならではのこだわりをすべて封印しているのですが、その結果、コスチュームのダサさや基本設定の杜撰さなど、監督のセンスでうまく誤魔化すべき点がすべて剥き出しになってしまっています。さらには、宇宙のロマンや巨大なパワーを手にしたことの爽快感なども薄く、ヒーロー映画に期待される風情がまるでありません。残念ながら、無名の新人監督にでも撮らせた方がまだマシというレベルの演出です。。。
脚本も無難に徹していて、特に面白みがありません。主人公ハルが恐怖心を克服することが物語の骨子となるのですが、映画全体が重くなりすぎることを避けるためか彼のトラウマ描写が希薄なので、ドラマに重みがありません。彼の敵となるハモンド博士についても同様で、客が引かない程度の描写を心がけた結果、彼のドロドロとした闇が致命的に不足しています。幼馴染が敵味方に分かれて殺し合いを繰り広げるというシャドームーンチックな設定は良かっただけに、もっと詳細な心理描写が欲しいところでした。[良:1票]