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<ネタバレ>IMAXシアターにて鑑賞しましたが、スパイディの背中をカメラが追う3D映像はかなりの迫力と面白さで、映画館で観てよかったなぁと思う作品でした。今回のピーター・パーカーは松潤似のルックスに天才科学者並みの頭脳、ハリー・ポッターばりにいわくつきの両親を持つ特別な人物となっていて、平凡な高校生がスーパーヒーローになるというサム・ライミ版とは大きく異なる物語ではあるのですが(ドラえもんの主人公がのび太から出木杉君に代わったくらいの大きな変更)、前シリーズを丁寧に研究して作られているおかげでこの方向転換に違和感は覚えませんでした。スパイダーマンは正義のあり方について常に思い悩むし、敵も絶対悪ではない。人情が複雑に絡み合う湿っぽい構図は健在なのです。スパイディが市井の人々に支えられているという描写もきちんとなされていて、NY市民が負傷したスパイディのために道を作る場面にはファイトシーン以上に興奮させられました。これぞスパイダーマンです。。。
旧キャストによる「スパイダーマン4」の製作がキャンセルされ、代わりに娯楽作の経験のないマーク・ウェブが新監督に抜擢された時には不安を覚えたのですが、完成した作品を見るにこの判断は正解だったようです。サム・ライミが不得意としていた恋愛パートの演出も彼にとってはお手の物だし、アクション演出は期待以上に的確です。CG全開のヒーローバトルはもちろんのこと、マスクをかぶる前のピーターが街のチンピラを倒して回るライブアクションも流れるように決まっています。粋なラストはこの監督ならではで、今後も彼が担当するのであれば、このシリーズはかなり期待できると思います(私が鑑賞した吹替版と字幕版とではグウェンの父親の最後の言葉の翻訳に違いがあるため、どちらを鑑賞したかでラストの評価は割れている様子ですが)。。。
なお、私の周囲ではウェブシューター(糸を発射する機械)の登場に戸惑いの声があがっているのですが、原作に忠実なのは本作の方。前シリーズでは「平凡な高校生が高度な機械を発明することは不自然」との理由で手首から糸を発射するという設定となっていましたが、ピーターを天才とした本作では原作通りの描写に戻されたようです。[良:4票]