アーサー王をテーマにした作品はいくつか見ているのですが、いき .. >(続きを読む)
アーサー王をテーマにした作品はいくつか見ているのですが、いきなり巨大な象が登場するロード・オブ・ザ・リングのような本作の冒頭ではかなり意表を突かれました。その後も仰々しいモブシーンやエクスカリバーを振るうシーンなどオリジナリティに溢れた見せ場が多く、丁寧に作られた娯楽作品であることはよく伝わってきたのですが、他方でガイ・リッチーの余計な演出がダイレクトな興奮を阻害しているという問題もありました。
例えば、見せ場に入る前にはアーサーの立てた作戦や、舞台の位置関係などが説明されることが多いのですが、ここで一度話の流れが止まってしまいます。出来のいいアクション映画は流れの中で説明的な描写を自然に入れてくるのですが、ガイ・リッチーにはそれができないのか、説明のための描写をわざわざ入れてくるのです。しかも結果を見せてから原因部分に遡ったり、早送りとかスローモーションを組み合わせたりといかにもガイ・リッチーらしい見せ方をするのですが、これが大仰な史劇に全然馴染んでいません。アクション以外の部分がとにかく余計なのです。
最後まで見ると、どうやら本作は序章に過ぎず、ここから有名なアーサー王伝説が始まるということがわかるのですが、この出来では続編の制作は厳しいのではないでしょうか。