韓国映画のたぎるような熱いドラマは、時代劇でこそ真価を発揮す .. >(続きを読む)[良:1票]
韓国映画のたぎるような熱いドラマは、時代劇でこそ真価を発揮するようです。とにかく燃えさせられましたとも。男達がやたらカッコよすぎです。槍の猛者ヨソルのクールさはアラゴルン、隊正チン・リプの老練なシブさはガンダルフ、そしてチェ・ジョン将軍はボロミアとして見ました。ボロミアに弱い私は、やっぱりチェ・ジョン将軍にもやられてしまったのです。家柄のおかげでえらいさんなだけの彼、最初はプライドばかりのイヤミなやつで、空回りばかりしている彼ですが、追いつめられてはじめて自分の無力さや愚かさと向かい合うわけです。そしてそこから一転、彼は仲間と力を合わせ、己が憧れていた真の武士として復活するのです。これぞ男のドラマではないですか!クライマックス、獅子奮迅の活躍を見せる彼にメインテーマが被さるシーンでは、もう立ち上がりそうなくらいに興奮しましたとも。「チェ・ジョン、あんたは本物の男だ。この男の復活記念日には、とにかく斬って斬って斬りまくれ!」ってなもんですよ。しかも、演じるチュ・ジンモが木村拓哉似の男前なのです。これまたやられましたね。その他、ホビットに相当する農民キャラたちにもちゃんと個性や見せ場が与えられてるのが立派です。しかも登場人物の個性というのが、旅の過程とともに明らかになっていくんです。やっぱりこれはキャラ造詣の巧みさだと思います。典型的なハリウッド映画のように「こいつはこんなやつ、あいつはあんなやつ」と最初に個性を明かし、その上でコマのようにキャラクターを配置する方法とは根本的に違うのです。おかげで、とくにヒネリのない、先が簡単に予測できてしまうストーリーラインの弱さも全然気になりません。しかし韓国の役者は、みんないい顔してますね。目とか表情にすごく力があって、本当に男前な人達なんです。日本の役者には見られないスゴ味があるのがうらやましい限りです。そんでまた悔しいのは、韓国にはこの「MUSA」、中国には「HERO」があるのに、一方日本はハリウッドに作ってもらった「ラスト・サムライ」ですからね。日本映画界はもうちょっとシャキっとしてくれないもんでしょうか。そういえば音楽の評判がよくないようですけど、私はあの独特な響きがすごくいいと思いますよ。って思ってると、音楽を担当したのはエヴァンゲリオンの人だったんですね。どうりであんな感じだったわけです。[良:1票]