「沈黙の戦艦」が4週連続全米ナンバーワンというとんでもないヒ .. >(続きを読む)[良:1票/笑:1票]
「沈黙の戦艦」が4週連続全米ナンバーワンというとんでもないヒットとなったことから、ワーナーがセガールに大幅な予算と発言権を与えて製作したのが本作。「環境を大事にしましょう」と言いながら爆破アクションをやるチグハグな構成、趣味の悪いファッション、本筋とはまったく関係のないスピリチュアル描写(セガールが素手でクマを倒したり、裸の女性に誘惑されたり、ばあさんのグチを聞いてあげたり、常人には理解不能な内容)等々、セガールがやりたい放題にやっていて、ある意味見応えがあります。監督セガールは俳優セガールの大ファンのようで、セガールを盛り上げる演出はいつも以上。「セガールが実は凄い奴らしい」と聞いて急にビビり出す悪党というセガール作品お馴染みの描写が普段の5割増しくらいになっていて、かなり笑えます。主人公はヒロインを連れて行動しているものの彼女にはセリフがほとんどなく、クライマックスになると満足に顔も映してもらえなくなり、観客が見るのはセガールの雄姿ばかりという凄まじい状態となります。予算アップに伴い悪役も豪華になっているのですが(ボスがサー・マイケル・ケイン、戦闘部隊のリーダーがリー・アーメイ先生)、彼らもまた赤子のように難なく倒されるといういつものセガール映画の悪役に過ぎないため、良い俳優を連れてきた意味がありません。「ギャラさえもらえればたいていの仕事を受ける」をモットーに、「ジョーズ87復讐篇」撮影のためにオスカー受賞式を欠席したという素晴らしい経歴を持つマイケル・ケイン、またしても金に釣られたようです。同じく金に釣られた組でも、唯一ベイジル・ポールドゥリスだけは素晴らしい仕事をしています。アラスカの雄大な大地をまさに表現していて、オスカー受賞作に使用されていても不思議ではないほどの名スコアーを気前よく提供。引き続き「暴走特急」に起用されたのも、本作におけるマジメな仕事ぶりが評価されたためでしょう。[良:1票/笑:1票]