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<ネタバレ>冒頭から何度か登場する矢切の渡し「つれて~逃げてよ~♪ついて~おいでよ~♪」の歌詞。そして佐渡の食堂での別れ際。「寅さん、私行きたくない。」「俺だって行かせたくねえよ。」これはまさにこの歌詞を絵にしたようなシーンですね。ついでにその後、寅さんが船の甲板に立つはるみに大声で叫ぶが船の汽笛がそれをかき消す。これは「望郷」の“ギャビー!”じゃありませんか。ここに至るまで寅さんとはるみの二人をしんみりと描くのですが、やたらとドタバタする藤岡琢也御一行様がちょっと間に割り込み過ぎだったような気もします。寅さんと歌手と言えば、リリーがいる。帰郷後、拍手喝采を浴びて歌う大スター、はるみを見つめる寅さんの表情が実に男前です。時々寅さんはこんな表情を見せますよね。はるみへの想いと共に、ドサ回りの旅暮らしで酔っ払いの前で誰も聞いていない歌を歌い続けるリリーを思い出していたのかな、寅さん。[良:1票]