ヒュー・グラントも気がつけば50代半ば。久々に見た彼の新作。 .. >(続きを読む)
ヒュー・グラントも気がつけば50代半ば。久々に見た彼の新作。年取ったなと思うけど、いい味が出てきましたね。
かつては1作だけですが、全米から絶賛された映画の脚本を書いたこともあるけど、
今ではハリウッドで完全に仕事が貰えなくなってしまったダメ脚本家。
ハリウッドを干され、聞いたこともない田舎の大学で脚本のゼミを担当することになるというのが本作の役どころ。
年齢を重ねると共にパターンが変わってきてはいますが、本作も典型的ヒュー印のラブコメとなっています。
ストーリー自体はよく見られるものでありますが、ハリウッドへの皮肉とハリウッド愛が同居するような作品の空気がいい。
ジェイン・オースティンを研究する堅物女性教授に「好きな女性作家は?」と聞かれ、
ヒュー教授は「エレイン・メイ」と。僕が割りと彼女の映画が好きなのもありますが、いいですね。こういうの。
脚本指導の中でヒュー教授に「なぜ、英語の映画にわざわざ字幕を入れる?」と聞かれた学生が
「台詞とは違う本音を表現するため」うんうん、ウディ・アレンのお好みのパターンだな、と思っていたら、
ヒュー教授、「それはアニー・ホールでウディ・アレンが使った手法だ。」映画ファンにはこんなやり取りが実に楽しかったりします。
自分の得意とする役どころでのびのびと持ち味を発揮している。ヒューさんには、50代後半になっても還暦を過ぎても、
いつもどこかフラフラとしていて、頼りなくも憎めない男を飄々と演じ続けてもらいたいなと思います。