同じ年の製作である「ディア・ハンター」と重なるものを多く感じ .. >(続きを読む)
同じ年の製作である「ディア・ハンター」と重なるものを多く感じる作品です。
戦場のロシアンルーレット、ニックの壮絶な最期など見る者に強烈なインパクトを残す「ディア・ハンター」と比較すると、
終盤までは淡々と帰還兵と夫の帰りを待つ女の日々を綴る本作は地味な存在ですが、
両作品とも、心に、身体に、傷を負った帰還兵と夫や恋人の帰郷を待ち続ける女、
その心の奥を描き出した素晴らしい作品であり僕にとってはどちらも甲乙つけがたい映画です。
本作はジェーン・フォンダとジョン・ヴォイトのラブストーリーを軸に展開していきますが、
出番は少ないもののブルース・ダーンの存在が効いている。
ラストのヴォイトのスピーチがいい。
その強烈なメッセージと交互に挿入されるブルース・ダーンの姿が哀しい。
当時の空気が感じられるような挿入曲の使い方も素晴らしい。
80年代以降も様々なアプローチ方法でベトナム戦争を扱った映画は作られ続けますが、
当時の空気が伝わって来るかのようなこれらの作品には独特の悲しさが感じられます。