イギリスの名匠ケン・ローチの長編デビュー作です。苦労を抱えな .. >(続きを読む)
イギリスの名匠ケン・ローチの長編デビュー作です。苦労を抱えながらも生きていくイギリスの庶民の数々のドラマを描いてきたケン・ローチ。デビュー作から彼が映画の中で描く対象にはブレがないですね。
本作は男運に見放されたような、幼い息子を抱えた若い女性の日々を綴った作品です。そんな主人公の弱さを見せる部分もありますが、それだけではなく目の前にある現状を受け入れていく強さを感じました。そしてラストで未来や理想の生活を語る彼女の姿からはささやかな希望を感じさせてくれるし、それはケン・ローチの人間賛歌であり庶民への賛歌のように思えました。
音楽を担当したドノヴァンのメロディと、登場人物の心を代弁するかのような歌の歌詞が素晴らしかったです。