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<ネタバレ>原作は森村誠一の小説「野生の証明」。「黒の十字架」というリンク作品も発表されています。本作では、日本の中の独立国・F県羽代市にはびこる悪を暴こうとする元自衛隊員・味沢(高倉健)が描かれています。味沢は、東北の寒村で大量虐殺事件で生き残り予知能力を身につけた少女・頼子(薬師丸ひろ子)を養女にしています。映画の後半は原作から離れ、羽代市の有する軍隊vs.健さんの戦闘がメインに。小説のエンターテーメント性をさらにエスカレートさせた本作には、ミステリー、アクション、SF、戦争、ヤクザ、政治劇、ファミリー、あらゆるジャンルの要素が詰め込まれています。当時、角川の看板作家、横溝、森村のファンには、10代の少年たちが多く付いていました。本作は、当時の角川映画の中でもっとも強く若者層を意識した作品です。長ドスを短銃に持ち替え、絶望的とも思える巨大な悪に立ち向かってゆく健さんの姿に、全国の少年たちがしびれました。ーー夏八木勲は不器用な役者で、作品によってはとんでもない演技をしてくれるのですが、本作では役にぴたりとはまっていました。[良:1票]