<ネタバレ>エンターテインメントな劇映画としてはリュック・ベッソンの唯一 .. >(続きを読む)
<ネタバレ>エンターテインメントな劇映画としてはリュック・ベッソンの唯一にして最高の傑作。
あまりにも奇妙な殺し屋レオン(ジャン・レノ)と、天涯孤独の少女マチルダ(ナタリー・ポートマン)、
このふたりの間に生まれる濃密な愛情だけにフォーカスを定め、余計な要素を極力排除した構成と演出が見事に成功しています。
レオンもマチルダも、社会との関わりはギリギリ最小限しか描かれず、人間としてのバックボーンは希薄。なのに(だからこそか)切羽詰まったアウトサイダー同士の不思議な交流に、ものすごい真実味と説得力を感じます。
それにしても、この映画のN・ポートマンのフォトジェニックな存在感は凄まじい。この映画に撮られる為に存在したのかと感じる程。
この瞬間のN・ポートマンでなければ、マチルダはただ大人びた妖しい少女、というキャラクターで終わっていたでしょう。
ひとつ残念なのは、レオンの前でマチルダが歌いながら次々に物真似を披露するシーン。
ストーリーの流れの中では微笑ましいシーンではありますが、ここだけ悪い意味で演出が漫画的で、ふたりのやり取りを微笑ましいと思う前に、なんだかサービスシーンみたい。
完全版で観ると尚更、ここの脳天気なノリがひどく浮いて見え、醒めてしまうのが残念です。