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<ネタバレ>シリーズ3作目にして、ほぼ安定軌道に入ってきたようだ。正直感動のレベルは1・2作目には届かないものの、適度な家族愛がしっかりと描かれ、安心して作品世界に浸れるレベルは維持されている。本シリーズは今の時代の「北の国から」的なシリーズとして、今後しばらく続いていくのだろう。CGの粗さはまだ目に付くとしても、ここまでの作品ではカラー映像がほとんど存在しない時代の街を「総天然色」で見せてくれており、当時を知る人にとっては懐かしいことこの上ないだろう。お店の何気ない看板や商品、瓶コーラの販売機、パーラーの内装、たばこの煙こもる事務所など細かいところまで、しっかりと考証されて製作されていることには好感がもてる。ただし、昭和40年代以降はカラー映像が豊富に残されている時代に突入することになるので、こういったノスタルジー感が薄れることは避けがたいだろう。東京オリンピックを境に日本は高度経済成長期の後半にさしかかり、庶民の生活にも効率や便利さが浸透しはじめ、近隣との助け合いがなくても生活できる時代に入ってくる。そしてその先に現在がある。あの時代が放つメッセージは、まさしく私たちの未来に問いかけているのだろう。[良:1票]