<ネタバレ>原作がない映画としては、ひとえにプロットの妙が冴える作品。 .. >(続きを読む)[良:1票]
<ネタバレ>原作がない映画としては、ひとえにプロットの妙が冴える作品。
地球からスペースコロニーへの移住を目指す宇宙船。クルーも乗客(パッセンジャー)も人工冬眠状態で、船はフルオートマチック航行で目的地をめざす。到着までは120年だが、30年経ったところで、アクシデントが発生し、一人の男が目覚めてしまう。
船に再度冬眠する設備は搭載されていないなか、1年以上の孤独な生活を経た男が、ある時冬眠ポットで眠っている、とある女性に恋心を抱いてしまう……
大方のストーリーは事前に知っていたし、ある程度予想できるストーリーでありつつも、丁度いいところで丁度いい出来事がほどよく発生する展開に(ローレンス・フィッシュバーン演じるクルーの出現や重大アクシデントの発生など)、最後まで飽きることなく楽しめた。
様々な伏線もうまく配置され、きちんと回収されている(IDリストバンドや船外活動スーツなど)
特に、宇宙船のデザインや内部の設定、ギミックについては近未来感を上手に演出できていたし(バーテンダーロボやダンスゲーム、ミールサーバー、医療ポッドなどなど)それらを見るだけでも結構楽しめる。(「エリジウム」や「オブリビオン」などが好きな人にはおすすめできる)
誰も経験したことのない主人公ジムの心情をクリス・プラットはほぼ表現することができていたと思うし、ジェニファー・ローレンスも同じく大きな感情の振れ幅を大変魅力的な演技で見せており、こんな女性ならジムの行動に同情できなくもない、と男性諸氏なら思ってしまうかもしれない。いずれにしても、男性の立場、女性の立場で「自分ならどうするだろう」と、それぞれの価値観に訴えかけるストーリーに乗っかってしまうのが本作を楽しむ作法のように思える。
そして最後どういう形で終わるのかも興味深かったが、大半が納得するような上手い終わらせ方だったのも良かった。
もう一つの作法として、本作のような作品はあくまでSF(サイエンス・フィクション)であり、特に「フィクション」であることを前提に観ることで、細かい設定を気にせずに楽しめるはずだ。[良:1票]