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<ネタバレ>さすがに野球シーンでは技術に前時代的なものを感じるが、それを差し引いても美しい画づくり、特に夕景でのショットが印象的な作品。落ち目なメジャーのプロ野球チーム「ニューヨーク・ナイツ」を軸に、球界の影を交えつつ、「16年間の空白」という謎のキャリアをもつ1人の年増の選手ロイ・ハブスが再起していくというファンタジードラマ。ロイがかつての恋人アイリスと再会した時に言われた言葉が印象的。すなわち人生は二つある、「学ぶ人生」と「その後を生きる人生」と。ロイは類い希な才能を自覚するが故に、16年間「全ての記録を破る」人生を目指していたが、アイリスとの再会で、それ以上の意味、すなわち数多の少年に夢を与えていたことに気付き、感動のラストへつながっていく。あのバットボーイとの交流もその伏線になっている。その意味では「真のヒーローとは」というテーマが底流に流れていたとも言える。少年の頃、草原で父とキャッチボールした、あの無垢で純粋な思いが実は一番大切だったということが、ラスト、息子とキャッチボールするR・レッドフォードの最高の笑顔に雄弁に表現されていた。名作。