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キャプラの映画は好きですが、これはどうも理屈先行で作られた「頭でっかち」の映画という印象が否めません。架空の理想の人物に人々の支持が殺到し、そのギャップから一度は転落するも、最後は大衆の支持で救われる、と絵にかいたようなキャプラ的展開ですが、この映画の場合、ジョン・ドゥーに熱狂的支持が集まる理由も、最後に再び支持される理由も伝わってきません。「大衆はマスコミに扇動される」とア・プリオリに決められているような描き方ですね。当時に身を置いていれば、また違うのかもしれませんが、リアリティが感じられません。新聞社の経営者が代わったくだりの描き方や、クーパーの役を野球選手と設定して、シャドープレイで暇つぶしをしているシーンなどは味わいがあってよかったんですがねぇ。