クーワーはまだ8歳の子供。なのに7回も人に買われ、粗末な扱い .. >(続きを読む)
クーワーはまだ8歳の子供。なのに7回も人に買われ、粗末な扱いを受けてきた。子供といえど、こんな人生を送ってきたら生きぬく為の知恵を身に付けざるを得ない。普通なら、愛情を受けた事のない人間はもっとひねくれているだろうけど、この子は純心を失っていなかった。時に見える鋭い目つきも、変面王を「おじいちゃん」と呼ぶ時の甘える声もクーワーの人生そのものを物語っていると思う。子供は大人のようにこの先どうなるかなど考ずに行動する。初めて自分に優しくしてくれた変面王を守る為、自分の命を投げ出す場面は、まさにそれ。本気で死ぬ覚悟でもなく、ただその時思いついた事を行動に移したまでの事。しかし、それが心打たれることである。なぜなら、私達にそんな行動が出来るかわからないから。しかしながら、その行動を見つめていたリャン、落ちてくるクーワーを決死の覚悟で助ける。自分とは何の関係もない子を。この人が一番心清い人。リャンの存在がこの物語を大きく包んで感動へと導いている、と私は思う。