<ネタバレ>今井監督初のカラー作品だが、監督本人が語るように色彩を殊更に .. >(続きを読む)
<ネタバレ>今井監督初のカラー作品だが、監督本人が語るように色彩を殊更に誇示するような画面にはしていない。
村祭りの場面などは華やかな人工色が彩るが、あくまで霞ヶ浦の水面や青空、木々の緑など自然物の色彩を鮮やかに映し出している。
とりわけ、大きな帆を張った帆曳船の出漁シーンの情景描写は素晴らしい。
米というタイトルながら、中心となるのは土地がないため半農半漁によって生活する零細農民達であり、その為にここで描写されるのは
米作と湖上労働である。
物語ではなく、農村の四季と労働に重点を置いて点描していくスタイルによって、今現在ではもはや見ることも出来ない様々な農機具や
機織り機などが活躍しており、それが情趣を伝えるだけでなく貴重な映像記録ともなっている。
出演俳優たちの語る方言もまたいい味を出している。