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<ネタバレ>若尾文子は前年の溝口健二『祇園囃子』に引き続いての舞妓役だけあって、初々しいながらも貫禄も十分。
踊りも堂に入っている。
入江たか子の母親の前では子供っぽく、恋敵となる阿井三千子と対峙するシーンでは凛とした表情で、
またコスチュームも、根上淳とのデートシーンでの明朗な学生服姿と、座敷を務める着物姿とで多彩に魅せる。
様々なしがらみによって悲劇的な趣を強めていくドラマと共に、祇園の世界は暗い画調だが、
根上と連れ合って歩く高台や河原など、随所に挟まれる京都の開放的なロケーションに救われる。
特に、舞妓仲間が声援を送るラストの河原と橋がいい。