質素な居住空間の中、6時起床、7時朝食、12時昼食の定時行動 .. >(続きを読む)
質素な居住空間の中、6時起床、7時朝食、12時昼食の定時行動を示すショットを反復した上で、翌日早朝の異変を旋回のショットと時計のショットとで仄めかす。
ここで示されるブルース・ウィリスの鋭敏な時間感覚の設定は、カール・アーバンとの電話の逆探知シーンやCIA本部の脱出シーンでの伏線ともなる。
フライパンで炒られ暴発寸前の銃弾や、蜂の巣となる家屋から悠然と歩み出てくる主人公の図が、波乱の幕開けの演出として効果的だ。
ハイテク対ローテク、理論対経験則、理性対直感といった頭脳戦の要素は薄く、CIA本部の包囲網脱出のアイデアなどを始め、『レオン』や『ミッション・インポッシブル』の二番煎じで意外性がなく物足りないが、強引な力技も悪くはない。
特に3人のREDがそれぞれ見得を切る射撃シーンの貫禄がいい。
旋回する車を降り立ち、躊躇無くカール・アーバンの車に弾丸を撃ち込んでいくブルース・ウィリス。
炎上する貨物を背景に仁王立ちで暗殺者と対峙するジョン・マルコビッチ。
そして、白いドレスを纏い瞬きひとつせずにマシンガンを撃ち込むヘレン・ミレン。
銃撃の反動にも姿勢を崩すことない、その立ち姿が凛々しい。
廃車にカモフラージュした隠れ家といったアイデアなども奇抜で楽しい。