ハワード・ホークスのように、プロフェッショナル達を描く。
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ハワード・ホークスのように、プロフェッショナル達を描く。
初めてのレースシーンに流れる『GIMME SOME LOVIN’』の選曲と、
リアミラーを駆使したスピーディなカッティングは『デイズ・オブ・サンダー』の
故トニー・スコットへのオマージュかと思えば、そもそも音楽担当はハンス・ツィマー
なのだった。
激しく煽られる芝生、土埃、雨飛沫といった対象物によって表現されるスピード感。
雨降る最終レース、スタート前の二人が交わす視線の交錯が印象深い。
そういえば、南波克行氏のロン・ハワード論でもかつて「水に飛び込む」ショット
へのこだわりが指摘されていたが、このレース映画にも水への飛び込みが
抜かりなくワンシーン挿入されている。
ダニエル・ブリュールとアレクサンドラ・マリア・ララが結婚した夜のプールシーン
がそれである。
そして、そこに繋がる二人の対話シーンが美しい。
窓外を見つめるクールなダニエル・ブリュールの胸部に
ロン・ハワードがガラス窓を通して反射させるのは、
スピルバーグのような紅い炎ではなく、碧い水の揺らめきなのだ。