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映画冒頭の脱獄シーンの寡黙さがなかなか良いと思う間もなく、
シルヴェスター・スタローンの雄弁な種明かし演説が始まってしまう。
かと思えば、主舞台に移っても公衆の中で堂々と密談を続けている。
監視の中、いかにして相棒とコミュニケーションを取り合っていくか。
そこにサスペンスを生み出すのが、脱獄映画の基本だろうが、その辺りが相当杜撰だ。
共演がよほど嬉しいのか、二人の対話については明らかに台詞過多である。
ボルトがどうの、シフトがどうの、それは画面に語らせれば済む話であり、
安易に台詞に頼るべきではない。
主人公の観察眼については、序盤で説明済なのだから。
状況解説用のトラッキングはただ官僚的であり、
対話どころか殴り合いまでアップショット偏重で鈍臭く
面白味を欠いた画面は映画でなくてテレビだ。
二人共、銃を構えたショットだけはやはり様になっている。