暴力シーンの打撃の瞬間に度々挟まれるサブリミナル的なアニメー .. >(続きを読む)
暴力シーンの打撃の瞬間に度々挟まれるサブリミナル的なアニメーションなどは、
打撃のインパクトを強調しているかに見えて、その実、身体の被虐性を
巧妙に隠蔽している。
打突の瞬間映像は首尾よく自主規制され、その映画アクションは死ぬ。
小刻みで断片的なカッティングと、揺れる画面の中に曖昧模糊にモンタージュされる
強姦シーンもだ。安心、安全。
勿論、見せるばかりが能ではない。
車に二度激突される妻夫木聡の派手なショットも、今度は逆に
単なるインパクトに過ぎなくなってしまう。
北野・黒沢らの地味で寡黙であっけない暴力と、それを冷徹に凝視するショットこそ
凄みと過激さを際立たせているだろう。
虚飾は何ら過激ではなく、それでは痛みも伝わらない。