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<ネタバレ>カメラに正対した第一ショットのロザムンド・パイクの妖しい瞳の表情から
一気に引き込まれるのだが、ラストで反復されるその黒い瞳の力は145分の
ドラマを経て一層の凄味を増して迫る。
映画を牽引していく彼女のキャラクターが圧巻だ。
携帯カメラで撮られた表情によって印象操作される、
テレビショー出演の反響と印象度を即座にネットでチェックするなどといった、
メディア批評も随所で光る。
スクリーン内スクリーンの中で夫を演じるベン・アフレックの表情に交差する
虚と実が何ともスリリングだ。
そして本作でも、ズリ上げを始めとする音使いの妙が映画のテンポを上げている。
有り金を奪われたロザムンド・パイクが公衆電話で話す声をかき消す
トラックの騒音、ドアのロック音・ノック音など、さりげない音を
サスペンスにしてしまう演出に唸る。
妻の帰宅シーンにあえて安堵感に満ちたBGMを被せるシニカルな選曲なども堪らない。