階段を駆け下りる構図までそっくりな「ハッピー・バースデー・ト .. >(続きを読む)
階段を駆け下りる構図までそっくりな「ハッピー・バースデー・トゥーユー」の
合唱が出てきた時点で、次は公園のブランコでも登場させるのだろうと簡単に
予想がついてしまう。
そういう露骨なのは、あまり延々と引っ張らないで欲しい。
ハレーション効果を採り入れた一枚絵の背景美術も、新海誠ら以降の作品としては
物足らない。人物に焦点を当てたアニメーションならばこのあり方が本来的なのかも
知れないが、本作の作風ならば背後の情景にももっと何らかの動きが欲しい。
光の揺れとか、草木の揺れとか、雑踏とか。
実写トレースによって日常的な人物の動きは確かに生々しさを獲得しているものの、
反面で例えば、リレー競争での三人抜きなどにあるべきアクション性も希薄に
なってしまった感がある。
欲張りついでに云えば、ラストの走りももっと息せき切らせなければ。