<ネタバレ>師匠と弟子二人並んでの、一風変わった型稽古の情景モンタージュ .. >(続きを読む)
<ネタバレ>師匠と弟子二人並んでの、一風変わった型稽古の情景モンタージュが前半の山だ。
少年がひたすら模倣することによって次第に上達していく様が、
ロングショット主体でレイアウトされた動きの変化の中から表れてくる。
そこには二者の動きが次第にシンクロしていくアクション映画、舞踊映画の快感があり、
アニメーションによる誇張(スピード・タイミング)の醍醐味がある。
キャラクターにはあえて影をつけない平板な絵柄を採用し、その分
部屋の内外を駆け回っての喧嘩や、卵かけご飯の食事など
アニメーションならではの動きの楽しさを充実させ、
一方で人物の表情のアップでは瞳の潤いを細やかに揺らす繊細な演出を施し、息吹を与える。
モブシーンの動画を含め、特に前半はよく頑張っている。
今回のクレジットでは細田単独の脚本だが、台詞が削り切れていないのは児童向けを意識したためか。
ラストでの回想シーンも少し親切すぎる。
トレードマーク的な青空と白い入道雲は決めのカットにはしっかりと登場していてそれなりに印象的だが。