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<ネタバレ>山上から誤って片方の靴を落としてしまったヒロインは、もう一足の靴も潔く放り投げる。
それを実際にシェリル・ストレイドが行ったかどうかはまったく問題でなく、何よりも映画の要請として投げる。
『ダラス・バイヤーズクラブ』は主人公が病に冒されつつも行動的に世界各地を飛び回る、何ともフットワークの軽い映画に思えたが、
こちらはフラッシュバックを交えながらの地道な歩行の映画だ。
出発の朝、荷物を詰め込んだバックパックを何とか背負おうと悶絶格闘するヒロイン。
その重みの感覚、テント設営の不慣れな手つき、旅と共に身体じゅうに出来た傷や痣などの描写が実に丹念である。
劇中で、森で出会った子供が歌いだす。その清らかな歌声が不思議に沁み入る。