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<ネタバレ>中空での宙吊りアクションといえば、『グランドキャニオンの対決』や『007リビングデイライツ』がある。
いずれも実景ロングショットでのスタントマンによるアクションと、スクリーンプロセスによる俳優らのミドルショットで構成される
アクションシーンだが、そのショット繋ぎの巧さも相まって非常にサスペンスフルで迫真のシーンだ。
それらの「アクション」を踏まえていうなら、『ローグネイション』の宙吊りショットにあるのはスター映画の醍醐味であり、アクション映画の
それではない。
巻頭の拘束部屋やオペラ舞台裏での格闘にしても、階段を下るカーチェイスにしてもアクションの段取りと設計はあるようだが、
その繋ぎが悪いのか画角が悪いのか、折角の俳優のアクションが映えないのが勿体無い。
クライマックスのマンホールへの滑り込みなども、トム・クルーズ自身は華麗な身体アクションを体現しているはずなのにそれを
効果的に撮れていない印象を受ける。
拘束具にキーが届かずに悪戦苦闘したり、水中行動での不手際や、バンク走行で膝を擦ったりという
ハプニング的なアクションの採り入れ方はよいのだが。
トム・クルーズとサイモン・ペッグらとの信頼関係に関する部分は明らかに台詞が多い。
貸し借りがどうとか、彼を必ず救うだとかを言葉で表明してから行動というのはNGだろう。
有言実行は現実なら励行すべきだが、映画ではやるべきではない。
マイケル・マンを見習うべきである。